本記事の概要
- PTA活動を「面倒な義務」から「親子の思い出作り」に変える発想転換の方法
- 八王子ならではの地域資源(農家・高尾山・郷土文化)を活かした具体的なイベント例
- 予算ゼロ〜少額で実現できる地域連携イベントの作り方と、負担を減らすコツ
- 子どもの記憶に残り、地域への愛着を育む「特別な体験」の設計法
- 親も楽しめる「ちょうどいい」PTA活動の実践例
「また役員の仕事が…」と溜息をついていた日

「今年の役員、誰がやる?」
4月の保護者会。重い沈黙の中、なんとなく手を挙げてしまった私。
「平日の会議とか、イベント準備とか、大変なんでしょ?」
「ただでさえ忙しいのに、これ以上時間を取られたら…」
そんな不安でいっぱいでした。
でも、1年後。役員を終えた今、子どもがこう言ってくれたんです。
「ママ、今年のPTAイベント、全部楽しかったよ。来年もやってほしいな」
あの時気づいたのは、PTA活動は「学校のお手伝い」ではなく、「親子で地域とつながる最高のチャンス」だということでした。
「やらされる仕事」から「やりたい企画」へ。視点を少し変えるだけで、PTAは親子の宝物の時間に変わります。
発想を変える:「義務」から「親子イベント」への転換

私がPTA活動を楽しめるようになったきっかけは、シンプルな発想の転換でした。
「PTA活動」ではなく「親子で参加できる地域イベント」として考える
そう捉え直すと、見える景色が一気に変わりました。
ビフォー・アフターの思考変化
| 視点 | Before(義務として) | After(親子イベントとして) |
|---|---|---|
| 目的 | 学校行事をこなす | 子どもに特別な体験をさせる |
| 準備 | 負担、面倒 | 子どもが喜ぶ顔を想像してワクワク |
| 当日 | 早く終わらないかな | 子どもと一緒に楽しむ |
| 終了後 | やっと終わった… | 「楽しかったね」と子どもと話せる |
本来、PTAの目的はとてもシンプルです。子どもたちの成長を、学校と家庭と地域で一緒に支えること。
「顔の見える関係」をつくり、困ったときに助け合える土台をつくることです。
八王子だからできる!地域連携イベント5選

ここからは、実際に八王子の小学校で実施されている、地域資源を活かしたPTAイベントの具体例をご紹介します。
すべて予算ゼロ〜少額で実現でき、地域の方々の協力で成り立っているものばかりです。
【イベント①】地元農家さんと「野菜収穫体験」
企画の概要: 八王子市内の農家さんの畑をお借りして、親子で野菜の収穫体験をする半日イベント。
実施例:
- 時期:6月(じゃがいも)、10月(さつまいも)
- 参加人数:親子15〜20組程度
- 費用:収穫した野菜の実費のみ
子どもたちの反応:
「土の中からじゃがいもがゴロゴロ出てきて、宝探しみたいで楽しかった!」
「この野菜、〇〇さんが作ったんだって!」
親の感想:
「子どもが『自分で掘った野菜』を誇らしげに持ち帰り、夕食で完食してくれました」
【イベント②】高尾山「親子清掃ハイキング」
企画の概要: 高尾山の裏ルートを親子で歩きながら、ゴミ拾いを行う環境教育イベント。
実施例:
- 時期:5月または10月(気候の良い季節)
- 参加人数:親子20〜25組程度
- 費用:ゼロ円(ゴミ袋・軍手は学校で用意)
子どもたちの反応:
「ゴミを見つけるのが宝探しみたいで楽しかった」
「きれいになった道を見て、気持ちよかった」
親の感想:
「ただハイキングするより目的があって、子どもも飽きずに歩いてくれました」
「山頂を目指さない」ルート設定で、無理なく楽しめます。
清掃後の記念撮影と「高尾山をきれいにした証明書」で、子どもたちが大喜びします。
【イベント③】「多摩の郷土料理」親子クッキング
企画の概要: 地域に伝わる郷土料理を、親子で一緒に作って食べる食育イベント。
実施例:
- メニュー:のらぼう菜のおひたし、すいとん、地元野菜の味噌汁
- 時期:2月(冬の郷土料理)、4月(春ののらぼう菜)
- 参加人数:親子10〜15組程度
- 費用:材料費として1家族300円程度
子どもたちの反応:
「おばあちゃん先生が教えてくれて、昔の話も聞けて面白かった」
親の感想:
「地域のシニアの方々との交流が、子どもにとって貴重な体験になりました」
大掛かりな料理教室をしなくても、「一品の郷土料理」で十分に食育はできます。
【イベント④】「八王子の歴史」まち歩きツアー
企画の概要: 地域の歴史スポットを巡り、郷土史に詳しい地元ガイドさんに案内してもらうまち歩きイベント。
実施例:
- コース:八王子城跡、桑都織物の工場跡地、古い商店街など
- 時期:春または秋の土曜午前
- 参加人数:親子15〜20組程度
子どもたちの反応:
「いつも通ってる道に、こんな歴史があったなんて知らなかった!」
親の感想:
「自分も知らなかった地元の歴史を、子どもと一緒に学べました」
【イベント⑤】放課後30分だけ「校庭自然観察会」
企画の概要: 校庭や校庭周辺で、季節の自然を観察する短時間イベント。
実施例:
- 内容:春の花観察、秋のどんぐり拾い、冬の霜柱観察
- 時間:放課後30分〜1時間
- 参加人数:希望者のみ(親子10〜15組)
子どもたちの反応:
「学校って、勉強する場所だけじゃないんだ」
「こんなに小さな花が咲いてたなんて気づかなかった」
「放課後30分だけ」の小さな企画は、準備も後片付けも軽く、それでいて子どもの記憶にはしっかり残ります。
地域連携イベントを成功させる3つのコツ

実際にイベントを企画する際の、現場で学んだコツをお伝えします。
コツ①:「完璧」を目指さず、「小さく始める」
初年度から大規模なイベントを目指す必要はありません。
スモールスタートの例:
野菜収穫体験:最初は10組限定、1時間だけ
清掃ハイキング:裏高尾の一部区間だけ
郷土料理教室:1品だけ、試食会形式で
小さく始めるメリット:
- 準備の負担が少なく、役員も疲弊しない
- トラブルが起きても対応しやすい
- 好評なら翌年に規模を拡大すればいい
コツ②:地域の「達人」を巻き込む
役員だけですべて準備しようとすると大変です。
地域には、それぞれの分野の「達人」がたくさんいます。
協力者の探し方:
- 市役所の「市民活動支援センター」に相談
- 「広報はちおうじ」でボランティア団体を探す
- 直売所で農家さんに直接声をかける
- 地域のLINEオープンチャットで呼びかけ
「助けてください」「教えてください」と言えることが、地域連携の第一歩です。
コツ③:親自身が「楽しむ姿」を見せる
これが一番大切です。 親が「面倒くさいな」と思ってやっていると、子どもにもその空気は伝わります。
逆に、親が「ねえ、今度こんな面白いことやるんだよ!」とワクワクしていれば、子どもも「なになに?」と興味を持ちます。
親が本気で楽しんでいる姿は、子どもにとって一番の教育です。
運営の負担を減らす「ちょっとした工夫」

イベントそのものだけでなく、「運営のやり方」を少し変えるだけで、ぐっとラクになることもあります。
デジタル活用で効率化(希望者のみ)
| 従来の方法 | 改善案 |
|---|---|
| 紙での出欠確認 | GoogleフォームやLINEでの回答(紙も併用) |
| お便りの全クラス印刷 | 必要な家庭だけダウンロード形式 |
| 役員の電話連絡網 | グループLINEでの一斉連絡 |
デジタルが苦手な方もいるので、「紙 or オンライン」どちらも選べるようにしておくと安心です。
役員の「見えない仕事」を見える化する
- 企画書やチェックリストをシェアして、「やり方」を次の年度に渡す
- 「○○さんがここまで準備してくれました」と、感謝を言葉にする
- 1人が抱え込まないよう、タスクを分解して「小さめの役割」にしていく
「誰がどれだけ動いているか」が見えると、自然と「ありがとう」が増えて、空気もやわらぎます。
地域とつながることで得られる「本当の価値」

PTA活動を通じて地域とつながることは、イベントの成功以上の価値を私たちにもたらしてくれます。
子どもの「居場所」が広がる
学校と家だけでなく、地域の中に「知っている大人」が増えること。
農家のおじちゃん、商店街のおばちゃん、近所のシニアの方。
「〇〇ちゃん、おかえり」と声をかけてくれる大人が増えることは、子どもの安全と安心感に直結します。
親にとっても「頼れる仲間」ができる
子育ての悩み、学校のこと、地域のこと。 本音で話せる仲間ができるのは、一緒に汗を流した活動の場ならでは。
ママ友という枠を超えて、「地域を良くしたい」という共通の思いでつながった仲間は、一生の財産になります。
災害時、本当に頼りになるのは「遠くの親戚」より「近くの顔見知り」です。PTA活動は、最強の防災活動でもあります。
がんばりすぎない「ちょうどいい」PTA活動

最後に、自然派ライフ流の「ちょうどいい」PTA活動の心構えをお伝えします。
全部やらなくていい
年に1回、小さなイベントを1つだけ。それで十分です。
- 春に野菜収穫体験
- 秋に高尾山清掃ハイキング
- 冬に郷土料理教室
どれか1つだけでも、子どもの記憶に残る特別な日になります。
完璧を目指さなくていい
- 参加者が少なくても、来てくれた人が楽しめればOK
- 準備が間に合わなくても、当日笑顔で過ごせればOK
- トラブルがあっても、それも含めて思い出になる
PTAの成功は「盛り上がったかどうか」ではなく、関わった人が少しでも「やってよかった」と思えたかどうかで決まります。
最後に:「負担」を「宝物」に変える魔法

いかがでしたか?
PTA活動は、やり方次第で「負担」から「親子の宝物の時間」に変えられます。
八王子には、豊かな自然、温かい地域の人々、受け継がれてきた文化があります。それらを活用すれば、予算ゼロでも心に残るイベントが作れるのです。
- 完璧を目指さなくていい
- 小さく始めればいい
- 親も一緒に楽しめばいい
そんなふうに肩の力を抜いて、「子どもと一緒に地域を楽しむ時間」として捉え直してみてください。
PTA役員になったことが、「八王子で暮らす豊かさ」を再発見するきっかけになるかもしれません。
この「自然派ライフ」では、これからも八王子・三多摩エリアの地域とのつながり方や、子どもと過ごす心地よい時間のヒントをお届けしていきます。地域の人々と顔の見える関係を築くこと、地元の自然や文化に触れること。それらは、毎日の食卓で「地元の野菜」を選ぶことと、同じ根っこでつながっています。
自然派ライフは、食だけじゃない。
地域とつながり、人とつながり、自然とつながる。
そんな「つながりの豊かさ」を大切にする暮らし方です。
今日も、あなたらしい「心地よい選択」を。
そして、もしPTA役員になる機会があったら。
それは、子どもと一緒に地域を楽しむ、素敵なチャンスかもしれません。
地域の畑で採れた野菜、高尾山の清々しい空気、郷土料理に込められた先人の知恵。
それらすべてが、八王子で暮らす私たちの「宝物」です。
そして、そんな地域の恵みを食卓でも感じたいと思ったら、私たちが信頼している生産者さんの野菜も、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。