ホーム 健康になる過ごし方 「これ、ゴミ箱に捨てないの?」5歳児が変わった、キッチンから始まる環境教育

2026.01.20

「これ、ゴミ箱に捨てないの?」5歳児が変わった、キッチンから始まる環境教育

本記事の概要

  • 子どもの価値観を育てる小さな習慣の具体例を紹介
  • 3歳・5歳・小学生の年齢別「できるお手伝い」と声かけのコツ
  • 「ゴミ」と「資源」の違いを、説教せずに自然に伝える親子の会話術
  • 日常の中で無理なく続けられる「背中で教える」環境教育の実践法

「ママ、それ捨てちゃうの?」娘の素朴な疑問

キッチンで夕食の支度をしていたある日のこと。
大根の皮をむいて、いつものようにボウルに集めていると、5歳の娘が不思議そうに聞いてきました。

「ママ、それゴミ箱に捨てないの?」
「うん、これはね、お庭の土に返してあげるんだよ」
「なんで?」
「野菜は土から生まれたから、また土に帰りたいんだって。そうすると、また新しい野菜が育つの」

娘は「へぇ〜」と言って、じっとボウルの中を見つめていました。
それから数日後。娘が自分でバナナの皮を持って、「これも土に返す?」と聞いてきたんです。

説教じみた環境の話なんて一度もしていないのに、子どもは親の「小さな習慣」をちゃんと見ていました。

環境教育は「教える」より「見せる」

「子どもに環境の大切さを教えたい」

そう思ったとき、絵本を読んだり、動画を見せたり、「ゴミは分別しなさい」と注意したり…そんな方法を思い浮かべるかもしれません。

でも実は、一番効果的な環境教育は、親が日常の中で当たり前に実践している姿を見せることなんです。

子どもは「言葉」より「行動」を見ている

「電気を消しなさい」と言いながら、自分はつけっぱなし。
「ゴミは分別して」と言いながら、自分は適当に捨てている。

子どもは、そんな矛盾をちゃんと見抜いています。

逆に、親が黙々とゴミを分別し、野菜くずを別にして、ペットボトルのラベルを剥がしている姿を毎日見ていれば、それが「当たり前」になっていきます。

環境教育は「特別なイベント」ではなく、「毎日のキッチンでの5分」で十分です。

ゴミ箱の前でできる「3つの問いかけ」

キッチンは、子どもにとって最高の「環境教育の教室」です。捨てる前に、3つだけ子どもに聞いてみてください。

質問ねらい会話の例
①「これは本当にゴミかな?」「ゴミ=いらない物」という思い込みをほぐす「この大根の皮、スープの味をよくしてくれるかもよ?」
②「ほかに使い道あるかな?」リユース・リサイクルの発想を育てる「この紙袋、お絵かきの紙にしてみる?」
③「どこから来たんだろうね?」物の背景に興味を持たせる「この人参、八王子の農家さんが育ててくれたんだよ」

「捨てる前に一呼吸おく習慣」は、子どもの想像力とやさしさを育てます。

キッチンでできる「背中で教える」環境習慣

私たちが前回の記事でお伝えしたゴミ削減の工夫は、そのまま子どもへの環境教育になります。

①野菜くずは「ゴミ」じゃなく「土に返るもの」

親がやっていること:

  • 野菜の皮や芯を、ゴミ箱ではなくボウルやコンポストへ
  • ベランダの段ボールコンポストや、庭の土に埋める

子どもが自然に学ぶこと:
「野菜は土から生まれて、また土に返る」という循環の概念

効果的な声かけ:
「この人参の皮、土に返してあげようね」
「土に返ると、また新しい野菜が育つんだよ」

ただし、悪臭や害虫発生のリスクもあるため、必ずコンポストなどの適切な処理をするようにしましょう。

②空き瓶・空き缶は「資源」として分ける

親がやっていること:

  • ジャムの空き瓶を洗って保管
  • 牛乳パックを開いて乾かす
  • ペットボトルのラベルを剥がす

子どもが自然に学ぶこと:
「捨てる」と「分ける」の違い、「もう一度使えるもの」という概念

効果的な声かけ:
「この瓶、きれいに洗ったら、また使えるよ」
「ラベルを剥がすと、リサイクルしやすくなるんだって」

③使い捨てを「使わない」選択を見せる

親がやっていること:

  • ラップの代わりに保存容器を使う
  • ペットボトルの代わりに水筒を持ち歩く
  • レジ袋の代わりにマイバッグ(量り売りの記事で学んだタッパー持参も)

子どもが自然に学ぶこと:
「使い捨て」より「繰り返し使う」方がかっこいいという価値観

効果的な声かけ:
「水筒を持っていくと、ゴミが出ないね」
「このお皿、何回も使えるから便利だね」

「エコだから」「環境に良いから」という理由より、「便利だから」「かっこいいから」という言い方の方が、子どもには伝わりやすいです。

年齢別「できるお手伝い」と声かけのコツ

子どもの年齢に合わせて、無理なくできるお手伝いを任せることで、環境意識が自然に育ちます。

【3〜4歳】触って・運んで・観察する

この年齢は、「お手伝いしたい!」という気持ちが強い時期。
完璧にできなくても、参加することに意味があります。

お手伝い内容声かけ例学べること
野菜くずをボウルに入れる「これ、ボウルに入れてくれる?」ゴミ箱以外の「行き先」があることを知る
空き瓶を水で流す「お水でジャーってしてみて」汚れたものをきれいにする楽しさ
新聞紙を小さく破る「ビリビリって破ってみよう」紙は土に返ることを体験
マイバッグを玄関に置く「明日のお買い物バッグ、準備しようか」買い物の準備という習慣

「上手にできたね」ではなく、「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えることで、自己肯定感が育ちます。

【5〜6歳】分別して・選んで・考える

この年齢になると、「なぜ?」「どうして?」と理由を知りたがる時期。簡単な理由を添えると理解が深まります。

お手伝い内容声かけ例学べること
ゴミの分別「これは燃えるかな?燃えないかな?」物の性質と分別の概念
ペットボトルのラベル剥がし「ラベルを取ると、リサイクルしやすくなるんだよ」リサイクルの仕組み
野菜くずをコンポストに「土に返すと、また野菜が育つんだよ」循環の概念
買い物で「袋いりません」と言う「〇〇ちゃんが言ってくれる?」自分の選択で環境を守れる実感

【小学生】計画して・工夫して・発信する

この年齢になると、自分で考えて行動できるようになります。「任せる」ことで責任感も育ちます。

お手伝い内容声かけ例学べること
週1回のゴミ出し当番「今週のゴミ出し、お願いできる?」家庭から出るゴミの量を実感
冷蔵庫の「使い切り献立」提案「この野菜、どうやって食べようか?」食品ロス削減の工夫
リサイクル工作「この箱、何かに使えそうだね」創造力と資源の有効活用
家族への「エコ提案」「こうしたら、もっとゴミ減るんじゃない?」主体的な問題解決能力

小学生になったら、「教えられる側」から「一緒に考える仲間」として扱うことで、環境意識がぐっと高まります。

「もったいない」の本当の意味を伝える

日本には「もったいない」という美しい言葉があります。
でも、ただ「残さず食べなさい」と言うだけでは、その心は伝わりません。

想像力のスイッチを入れる

食べ物や道具の「背景」にある物語を話してあげてください。

  • 「この人参、八王子の農家さんが雨の日も風の日も畑でお世話してくれたんだよ」
  • 「このお魚、広い海からここまで旅をしてきたんだよ」
  • 「このお茶碗、職人さんが土から作ったんだよ」

背景を知ることで、子どもは「モノ」を「命」や「手間」として捉えるようになります。
それが、本当の意味での「大切にする心」=「もったいない」につながります。

八王子の自然とつなげる

私たちが住む八王子には、高尾山や浅川、長池公園など、豊かな自然があります。

「ポイ捨てされたゴミが川に流れて、高尾山のリスさんや、海のお魚さんが間違って食べちゃったらどうなるかな?」

遠い国の話ではなく、自分たちが遊んでいる大好きな場所の話として伝えてみてください。
「自分たちの街を守りたい」という気持ちが、エコな行動の原動力になります。

子どもの変化:「ゴミ箱警察」の誕生

環境意識が育ってくると、子どもはこんな風に変わっていきます。

家族に「それ、分別違うよ」と指摘する

パパがペットボトルを燃えるゴミに入れようとすると、

「パパ、それプラスチックだよ!」

と、得意げに教えてくれるようになります。

外出先でも「ゴミ箱」を探す

公園で食べたお菓子の袋を、ちゃんと持ち帰る。
自動販売機の横のゴミ箱を見つけて、「ここに捨てよう」と提案してくれる。

そんな小さな行動が、子どもの中に根付いていきます。

「ゴミ箱警察」になった子どもを見て、親も「ちゃんと見てたんだな」と嬉しくなる瞬間です。

親が「完璧」じゃなくていい理由

「子どもに環境教育をしたいけど、自分も完璧にできてないし…」

そんなふうに思っていませんか?
でも、親が完璧である必要はまったくありません。

「できないこともある」を見せる大切さ

「今日は疲れちゃったから、ラップ使っちゃおう」
「忘れちゃって、レジ袋もらっちゃった」

そんな日があってもいいんです。むしろ、「完璧じゃなくても、できるときにやればいい」という姿勢を見せることが、子どもにとっては一番の学びになります。

「ママも忘れちゃうことあるんだね」と子どもが思えることで、「完璧じゃなくてもいいんだ」という安心感が生まれます。

最後に:「背中」が一番の教科書

いかがでしたか?

環境教育は、難しい話をすることでも、特別なイベントをすることでもありません。

  • 野菜くずをコンポストに入れる
  • 空き瓶を洗って保管する
  • 水筒を持ち歩く
  • 量り売りでタッパーを持参する

そんな日常の小さな習慣を、ただ「当たり前」に続けること。
それが、子どもにとって一番の教科書になります。

「環境に優しい暮らし」は、親が背中で見せるものです。

この「自然派ライフ」では、これからも八王子・三多摩エリアの暮らしに寄り添った、無理のないエコのヒントや、子どもと一緒に楽しめる暮らしの工夫をお届けしていきます。

子どもたちが大人になったとき、

  • 「うちは昔から、野菜の皮は土に返してたな」
  • 「ママがいつも水筒を持ち歩いてたな」
  • 「買い物にはタッパーを持って行ってたな」

そんなふうに思い出してくれたら、それが一番の成功です。

そして、もし「家庭でのエコ活動をもっと充実させたい」と思ったら、過剰な包装のない、土のついた野菜を選ぶことも、子どもへの環境教育の一つです。

  • 「この野菜、土がついてるね」
  • 「畑から直接来たんだね」
  • 「〇〇さんという農家さんが作ってくれたんだよ」

そんな会話が生まれる食材は、子どもの「食べ物がどこから来るのか」という理解を深め、「作ってくれた人への感謝」という心を育ててくれます。

今日も、あなたらしい「心地よい選択」を。
そして、今日の夕食の支度で出た野菜くずを、お子さんと一緒にコンポストに入れてみてくださいね。

「これ、また土に返るんだよ」

その一言が、子どもの心に小さな種を蒔くことになります。

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