本記事の概要
- "ゆる薬膳"がいま注目されている理由
- 薬膳の基本となる「五性」「五味」のやさしい話
- 近所のスーパーで揃う、薬膳になる身近な食材
- 週末10分でできる、はじめての一皿アイデア
- 続けるコツと、無理しないための心構え
なんとなく不調な40代に、"ゆる薬膳"がそっと寄り添う理由

朝、起きた瞬間からなんだか体が重い。 夕方になると、肩のあたりがどんよりする。 病院に行くほどじゃないけれど、確かに何かが違う。
40代に差しかかると、こんな"なんとなく不調"を感じる人が少しずつ増えてきます。ホルモンバランスや代謝の変化、家族や仕事の責任の重なり。理由はいろいろあるけれど、共通しているのは「自分のための時間が、後回しになりがち」ということ。
そんな今、静かに広がっているのが"ゆる薬膳"という考え方です。
薬膳は、特別な食材を揃えることじゃなく、"いつものごはん"を少しだけ意識して選ぶこと。
完璧を目指さず、自分の体の声にちょっと耳を澄ます。そんなやさしいスタンスが、いまの大人世代の気分にすっと馴染んでいます。
薬膳とは、中医学(中国伝統医学)の理論に基づいて、食材の持つ性質を活かしながら体を整えていく食事のこと。「医食同源」という言葉があるように、食べることと体を養うことは、もともと地続きの考え方です。
そもそも薬膳って何?難しそうなイメージをほどく基本のはなし

「薬膳って、生薬とか高麗人参とか使うんでしょ?」 そう思っている方、安心してください。家庭で取り入れる薬膳は、もっと身近で、もっとやさしいものです。
五性:食材には"温める力"と"冷やす力"がある
薬膳の基本的な考え方のひとつが「五性(ごせい)」。食材を、体を温めるか冷やすかで5つに分類する見方です。
| 五性 | 体への働き | 代表的な食材 |
|---|---|---|
| 熱性 | 強く温める | 唐辛子、羊肉、シナモン |
| 温性 | やさしく温める | 生姜、ねぎ、鶏肉、もち米 |
| 平性 | どちらでもない | 米、にんじん、しいたけ |
| 涼性 | やさしく冷やす | きゅうり、豆腐、トマト |
| 寒性 | 強く冷やす | ゴーヤ、すいか、海藻類 |
冷えを感じる日は温性の食材を、ほてりを感じる日は涼性の食材を。それだけで、立派な薬膳の入り口です。
五味:5つの味がそれぞれ違う働きをする
もうひとつ覚えておきたいのが「五味(ごみ)」。酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ/塩味)の5つの味には、それぞれ違う働きがあるとされています。
完璧に覚える必要はありません。「今日のごはん、味のバランス偏ってるかも?」と気づくくらいで十分。日々の食卓に5つの味がふんわり揃っていれば、体は自然と整っていきます。
薬膳の理論を体系的に学ぼうとすると奥が深く、難しく感じてしまうもの。でも"ゆる薬膳"の入り口としては、「温めるか冷やすか」「味の偏りはどうか」という2つの視点を持つだけでOKです。
近所のスーパーで揃う、"ゆる薬膳"の主役食材たち

ここからが本題。「薬膳食材=高くて手に入りにくい」というイメージは、いったん横に置いてください。スーパーの野菜売り場や乾物コーナーに、薬膳になる食材はたっぷり並んでいます。
| 食材 | 期待できる働き | 使い方のヒント |
|---|---|---|
| 生姜 | 体を温める、消化を助ける | スープ、味噌汁、紅茶に |
| 長ねぎ | 体を温める、巡りを良くする | 薬味、鍋、卵スープに |
| しいたけ | 気を補う、免疫を支える | 出汁、炒め物、煮物に |
| 黒豆 | 腎を養う、巡りを助ける | お茶、煮物、ごはんに混ぜる |
| 黒ごま | 腎を養う、髪や肌に | ふりかけ、和え物に |
| 鶏肉 | 気を補う、体を温める | スープ、煮込みに |
| なつめ(乾) | 気血を補う、心を落ち着ける | スープに浮かべるだけ |
冷蔵庫を開けて「あ、これ薬膳だったんだ」と気づける目線が、続ける力になる。
特におすすめしたいのが、黒い食材。黒豆、黒ごま、ひじき、昆布などは、薬膳で「腎(じん)」を養うとされる食材たち。腎は、東洋医学では生命力やアンチエイジングと深く関わるとされる大切な存在です。40代以降の体には、特にやさしく寄り添ってくれる食材といえます。
「なつめ」はスーパーの中華食材コーナーや製菓材料コーナーに置かれていることが多いです。多摩エリアなら、自然食品店や直売所でも見つかることがあります。
週末10分。はじめての"ゆる薬膳"アイデア3つ

ここからは、特別な道具も技術もいらない、本当にシンプルな一皿のアイデアをご紹介します。
①生姜とねぎの卵スープ(5分)
お湯を沸かして、刻んだ長ねぎとすりおろし生姜、鶏ガラスープの素少々を入れる。最後に溶き卵を流して、ごま油をひと垂らし。これだけで、体の芯からぽかっと温まる立派な"温め薬膳"。朝ごはんにも夜食にも◎。
②黒豆茶を仕込む(仕込み時間5分)
乾燥黒豆を軽くフライパンで炒って、ポットにお湯と一緒に入れるだけ。香ばしくて、ほんのり甘い黒豆茶ができあがります。日々のお茶を黒豆茶に変えるだけで、腎を養う習慣が自然に続いていきます。
③なつめとしいたけの鶏スープ(10分/煮込み時間別)
鍋に水、鶏もも肉、干ししいたけ、なつめ2〜3粒、塩少々を入れて、弱火でコトコト。煮込んでいる間は別のことができるので、実働は10分。週末の作り置きにすると、平日の自分を助けてくれる一品になります。
"ゆる薬膳"は「週末に何品か仕込む」だけで十分。平日は、その恩恵を受け取る側でいい。
"ゆる薬膳"を続けるための、たった2つの心構え

最後に、続けていくうえで大切にしたいことを2つだけ。
①完璧を目指さない
「今日は温性の食材が足りなかった」「五味のバランスが偏った」と思っても、自分を責めないでください。薬膳は、毎日の積み重ねで少しずつ体が整っていく考え方。1日や2日の偏りは、長い目で見れば誤差です。
②自分の体の声を聴く
「今日はなんだか冷えるな」「ちょっと疲れがたまってるな」。そんな小さな声に気づける自分でいること。それこそが、どんなレシピ本よりも頼りになる"薬膳の教科書"です。
"ゆる薬膳"の本当の主役は、食材ではなく、自分自身の感覚です。
まとめ:自分を後回しにしない、週末のはじめかた

家族のごはんを作って、仕事のことを考えて、誰かのために動いて。気がついたら、自分のことが一番後回しになっている。そんな日々を送る大人世代だからこそ、週末のほんの10分、自分の体のための小さな選択をしてみませんか。
生姜をひとかけ。黒豆をひとつかみ。なつめを2粒。それだけで、台所はやさしい薬膳の場所になります。
このブログ「自然派ライフ」では、これからも健康・暮らし・多摩エリアの情報を、肩肘張らないトーンでお届けしていきます。完璧じゃなくていい。"なんとなく心地いい"を、これからも一緒に探していけたらうれしいです。
自分のからだに、そっと寄り添う週末を。 今日のスーパーで、何かひとつ、薬膳になる食材を選んでみてください。