この記事でわかること
- 二十四節気「清明(せいめい)」の意味と時期
- 清明の頃に起きる自然の変化(ツバメ・雁・虹)
- 旬の食材:たけのこと鰆(さわら)のちょっとした豆知識
- 暦を知ると、暮らしがちょっとだけ豊かになる理由
「清明」とは、春がいちばん清々しい頃のこと

カレンダーを見ると、ときどき小さな文字で書かれている「二十四節気」。 そのなかのひとつ、「清明(せいめい)」は、毎年4月5日頃から始まる春の節気です。
語源は「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」。 万物が清らかで、明るく、生き生きとしている。そんな春の盛りを表した言葉です。
空は青く澄んで、風はやわらかく、花は咲きそろう。 一年のなかで、いちばん「春らしい春」を感じられる時期が、清明です。
2026年の清明は4月5日(日)〜4月19日(日)。春分の次、穀雨の前にあたる、二十四節気の第5番目です。
この頃、自然はこんなふうに動いている

清明には、七十二候(しちじゅうにこう)という、さらに細かい季節の区切りがあります。 5日ごとに自然の変化を表したもので、清明の時期はこの3つ。
| 七十二候 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 玄鳥至 | つばめきたる | 南の島から日本にツバメが渡ってくる |
| 鴻雁北 | こうがんかえる | 冬を日本で過ごした雁が北へ帰っていく |
| 虹始見 | にじはじめてあらわる | 春の雨上がりに、その年はじめての虹が見える |
ツバメが来て、雁が帰る。渡り鳥が入れ替わるこの時期は、まさに季節の交差点。 そして空気が潤いはじめて、雨上がりにうっすらと虹がかかる。春が深まっていくサインです。
暦の言葉は、空を見上げるきっかけをくれる。
清明に届く旬の味、たけのこと鰆

季節を感じる方法は、空を見上げるだけじゃありません。 「食べること」も、いちばん身近な季節のたのしみ方です。
たけのこ:掘ったら「その日のうちに」の理由
清明を代表する春の味覚といえば、たけのこ。 シャキッとした食感と、ほのかな土の香りが春の訪れを教えてくれます。
じつはたけのこには、チロシンというアミノ酸が豊富に含まれています。 これがたけのこの旨味のもとなのですが、収穫から時間が経つとチロシンが酸化してホモゲンチジン酸という物質に変化。これがあの「えぐみ」の正体です。
だから昔から「たけのこは掘ったらその日のうちに茹でろ」と言われてきたんですね。
スーパーで買ったたけのこも、できるだけ早く下茹ですると美味しくいただけます。茹でたあとの切り口についている白い粉はチロシンの結晶なので、洗い流さなくても大丈夫。むしろ旨味のもとです。
鰆(さわら):魚へんに「春」と書く魚
もうひとつ、清明の頃に旬を迎えるのが鰆(さわら)。 漢字をよく見ると、魚へんに「春」。春に産卵のため瀬戸内海にやってくることから、この字があてられたと言われています。
春の鰆は身がやわらかく、淡白で上品な味わい。 西京焼きや塩焼きなど、シンプルな調理でその美味しさが引き立ちます。
じつは関東では「寒鰆(かんざわら)」と呼ばれる冬の鰆が脂がのって人気。同じ魚でも、地域によって旬の感じ方が違うのも面白いところです。
暦を知ると、日々がちょっとだけ変わる

二十四節気の名前や意味を、全部覚える必要はありません。
ただ、「今日は清明なんだ」と知っているだけで、空の青さがちょっと違って見えたり、スーパーでたけのこに手が伸びたりする。
暦は、季節に気づくためのヒント。 忙しい毎日のなかで、ふと立ち止まって「春だな」と感じる瞬間をつくってくれるものです。
がんばって季節を追いかけなくていい。 ただ知っているだけで、暮らしはちょっとだけやさしくなる。
自然派ライフでは、二十四節気にあわせて季節の食と暮らしのヒントをお届けしていきます。次回は、春の終わりを告げる「穀雨」のおはなしです。